はじめに
わが家には、小学1年生の次女と小学2年生の長女がいます。
次女には発達特性があり、学校に行き渋る日があります。
そのため、時には無理をせずにお休みする日もあります。
そんな時、必ずといっていいほど出てくるのが——
「なんで妹だけ休んでいいの?」「私も休みたい」
というお姉ちゃんの言葉です。
このやりとり、同じような悩みを持つご家庭も多いのではないでしょうか。
今日は、そんな**発達グレーの子を育てる家庭で起こりやすい“きょうだい間の葛藤”**について、わたし自身の体験と、工夫している関わり方をお話しします。
「妹だけずるい」という気持ちは当然のこと
長女が「ずるい」と感じるのは、当然のことです。
大人でも、自分だけ我慢している状況なら、誰だって納得できません。
でも、親の立場からすると「妹には特性があるから」と説明したくなる。
けれど、それを小学生の子に理解させるのは本当に難しいものです。
私も最初は、「〇〇ちゃんはダメ」と言ってしまっていました。
でもそれは、長女の気持ちを置き去りにする言葉でした。
家族で「発達特性」を共有することの大切さ
お姉ちゃんにも“特性”を説明するようにした
次女の特性について、私は長女にもきちんと説明するようにしました。
たとえば、こんなふうに話します。
- 興味があることしか集中できないこと
- 頑張りすぎて疲れやすいこと
- 気持ちの切り替えが苦手なこと
「妹はわざとやってるんじゃなくて、脳のタイプがちょっと違うんだよ」と伝えると、
長女も少しずつ理解を示してくれるようになりました。
すべてを理解するのは難しいけれど、
“違いがある”ということを知るだけでも、家族の空気がやわらぎます。
家族全員で「理解する」ことが大事
ママだけが理解しても、家庭はギクシャクする
正直なところ、私だけが次女を理解していても、家族の不満につながります。
お姉ちゃんも、パパも、「どうして妹ばかり」と思うのは自然です。
だからこそ、家族全員で「理解しようとする姿勢」が大切だと感じています。
とくにお姉ちゃんには、「妹はこういうことで困っているんだよ」と
“助けてあげる”というより、“知っておいてほしい”というスタンスで話します。
きょうだい喧嘩のたびに学びがある
発達特性がある子は、相手の感情を読み取るのが苦手なことがあります。
そのため、きょうだい喧嘩も頻繁に起こります。
正直なところ、私はいつもお姉ちゃんのほうを叱ってしまいがちです。
なぜなら、叱ると早く収まるから。
次女には言っても通じないことが多く、つい長女に「お姉ちゃんでしょ」と言ってしまうのです。
でも、それが長女の我慢につながっていることに、ある日気づきました。
「家族だからこそ大切にしよう」を伝える
喧嘩をしたとき、私は2人にこう伝えるようにしています。
「お友達だったらそんなこと言わないよね?家族だから、激しく言っていいの?ダメだよね。家族だからこそ、お互いのことを大切にしようね。」
そうすると、少しずつですが、2人の関係に変化が見えてきました。
特にうれしかったのは、次女が自分から謝れるようになったこと。
以前は「悪い」という概念が理解できず、謝ることができませんでした。
けれど、少しずつ感情を言葉にできるようになり、
「ごめんね」と言えた時は、心から成長を感じました。
「ずるい」という気持ちを否定しない
お姉ちゃんが「ずるい」と感じるのは当然です。
私は、その気持ちを否定しないことを意識しています。
「そうだよね、ずるいよね。ママでもそう思うと思う。」
そう言うだけで、お姉ちゃんの表情がやわらぎます。
「理解してもらえた」と感じることが、納得への第一歩になります。
家族の理解が子どもの安心につながる
発達特性のある子を育てると、どうしても家族のバランスが崩れがちです。
でも、家族全員で少しずつ「理解する努力」をしていくことで、
お互いの気持ちを尊重できるようになってきます。
子どもたちが喧嘩をしても、泣いても、ぶつかっても、
それは**「学びのチャンス」**。
感情をぶつけ合うことで、思いやりや言葉の使い方を少しずつ学んでいます。
まとめ|「理解する」ことから、家族の優しさが育つ
発達特性のある子を受け入れるのは、親にとっても時間のかかることです。
そして、その兄弟にとっても難しいこと。
でも、完璧に理解する必要はありません。
大切なのは、「違いがある」ことを認め合い、
その子に合った形で支え合うことだと思います。
わたし自身、毎日が反省と気づきの連続ですが、
それでも少しずつ、家族みんなで成長できている気がします。
🌷最後に
発達グレーの子どもを育てていると、親も兄弟も疲れてしまうことがあります。
でも、「理解しよう」と思う気持ちがある限り、必ず前に進めます。
うまくいかない日があっても、それは家族が成長している証。
同じように悩むママたちが、少しでも心が軽くなりますように。


